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20 May

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23 September

初めてを刻ませて

珍しくも花コバのR15です。






小林は人間に触れるようになった。
それはつまり、誰もが小林に触れることが出来るということだ。
嬉しいはずなのに、祝ってやりたいのに、心が沈んでいく。
今まで、誰にも触れなくて世界と距離を置く小林に、彼を見つけたのは自分なのだと、どこかで自分が一番近いのだと思っていた。
小林が人と接触したがらないから、自分から近づいていく俺が世界との架け橋になれていた気もしていた。
でも、もう架け橋など必要なくて。
小林は自分で世界に触れられる。
小林の中からも俺がいる意味が、必要性が、失われる。

「小林とエロい事したい」
人に触れるようになった小林は、これから人の営みに戻って、沢山の人と触れ合うことになるだろう。
だから。
「小林の初めてが欲しい」
忘れないで欲しい。
俺という存在を刻み付けたい。
初めての相手なら、少しくらいは小林の中に残れると思った。
小さくてもいいから、小林に傷を残したいと思ってしまった。
だって小林はこんな俺を追いかけてきてくれたから。
俺という存在をちゃんと気にしてくれたから。
俺を小林の中から消さないで欲しい。
「はあ?」
俺の言葉に、小林は理解できないというように目を瞬かせる。
そういえば小林の反応を考えてなかった。
軽蔑されるかな…。
小林に嫌われるのは、嫌だな…。
でもごまかして取り消す言葉は口からでなくて。
俺が本気で言ったことがわかったのか、小林は表情を普段の無表情に戻した。
いや、耳まで赤くなって眉を寄せてるから、無表情を装ってるのかな。
それから、何度か躊躇うように口を開いては閉じる。
「別に、好きにすればいい」
少しして、俯きがちに顔を逸らして囁くようにそう零した。

小林の許可を得たので、俺はそのまま小林をベッドに連れてきた。
ちょっと早急な気がしたけど、やっぱり気が変わったって拒まれたら嫌だし。
好きにすればいいと言った小林は、俺のすることに抵抗を見せない。
ゆっくりと上着を脱がせて、色素の無い、真っ白な肌に触れる。
「あっ…」
小林の体が跳ねる。
誰にも触られることなく、強すぎる刺激からも守られて生きてきた小林は少しの刺激にも敏感だ。
こんなことをして何になるのか分からない。
でも、小林が拒まないのが嬉しくて、止められない。
肌に唇で触れて吸い付けば、簡単に痕が残る。
「花びらみたい」
綺麗だなと思って、いくつか散らす。
「っ…、ん……、……」
その度に唇を噛み締めるようにしながら体を震えさせるのに、小林は抵抗する様子もなく大人しいままだ。
いいと言っていたとは言え、自分の意志に反することを嫌がる小林らしくない。
「何で……」
拒まないの?
聞きたい。
でも、怖い。
意味なんてないと言われたらと思うと聞けない。
ただ興味があっただけとかだったら尚更怖い。
だって、そうだったらたまたま最初に声をかけたからこの状況になったということだから。
少しずつ中心に向かうようにキスをしていって、脇腹を見た。
靄があったので傷は綺麗に治っている。
俺をかばってくれた傷。
それで出来た傷が消えたのは嬉しいけど、少しだけ惜しい。
傷があったら、小林は俺を忘れられなかったのに。
覚えている場所に吸い付いて、ついでに歯を立てた。
「ひっ、あ…!」
今まで声を押し殺していた小林が、声を上げて大きく体を跳ねさせた。
「痛かった?」
声をかけるために見るのが怖くて見てなかった小林の顔に目を向ければ、赤くなって目が潤んでる。
やばい、可愛い。
これは別の意味で見ちゃいけなかったかもしれない。
「痛くは…ない……」
けど、と小林は続ける。
「なんかムズムズして…変な感じだ……」
そう言いながら足を内股にもぞもぞと動かしている。
これはもしかして……。
「ヒッ!」
小林の中心に触れてみれば、小林が息を詰めるような悲鳴を上げた。
服の上から触っても分かる程に、小林のそれは反応していた。
「うわあ!」
嬉しくなって小林の下を一気に脱がせば、小林が驚いて叫んだ。
あまり色気はないけど、それはそれで小林っぽくていい。
予想通り反応しているソレを小林が止めに入る前に口に含んだ。
「やめっ! ああ、あ、や、ヤダ! はなさき!!」
髪の毛を掴まれてちょっと痛い。
顔も見れないけど、仰け反って震えながら俺の与える刺激に翻弄されてくれるのが嬉しくてそのまま続ける。
自分でもしたことないのかもしれない。
慣れない刺激に小林は思った以上にアッサリとイった。
イク瞬間に呼ばれたのが自分の名前だったせいか、俺もかなりやばい。
小林がぐったりとしているのをいいことに、小林が出したものを手に吐き出して指に絡めて後ろに触れる。
思わず言っちゃったし、その場でOKもらえるとも思ってなかったから必要なもの用意してなかったから代用品だ。
えっと、いきなり指を中に入れても大丈夫かな?
先に周りほぐしたほうがいいのかな?
悩んでそこを指で撫でていると、流石に落ち着いてきた小林に睨まれた。
「な、に…すんだ」
小林は疑問に思ったことは質問してきて、それに答えないと怒る。
わからなくても怒らないけど、分からないなら分からないと言わなければならない。
「ここ使って小林と繋がんの」
だから俺は素直に答えた。
いきなり突っ込まれたら小林も困るだろうし。
「……そこじゃなきゃダメなのかよ」
やっぱ、抵抗あるよな。
「男同士だと知ってる限りここだけなんだけど…やっぱダメ?」
正直なところ、俺だってこんなところされるのは嫌だし、小林が本当に嫌ならやめる。
そんなところなのに、小林のだと思うと嫌悪感もなく触れるから不思議だけど。
「それしかないなら、仕方ねーだろ」
俺の問いに、小林はそんな事を言って許してくれた。
戸惑ってるのに、それでも許してくれるのが嬉しい。
小林に傷を残したいといっても、一時的につくだけの傷なんて意味もないし苦しめたいわけじゃないから、できるだけ丁寧に小林のそこを慣らしていく。
「…っ、あ……」
少しだけ指先にちょっと違う感触があった気がしたけど、そこを撫でたとき小林が驚いた顔をした。
「ここ?」
「…っ、そこ……やめ、ろ……」
泣きそうに見えるけど、多分嫌でそういう表情なんじゃないと思う。
「どうして?」
「…っ、へんっ、ふっ…に、ア…なる…」
そこを指で押しながら問えば、小林は喘ぎながらそう訴えてきた。
「嫌?」
俺が聞けば、小林はギュッと目を瞑って唇を噛み締めた。
「嫌じゃないならやめてやらないよ」
赤い目が見えなくなってしまったのは残念だけど、嫌だと言われなかったのが嬉しくて愛しくて俺はその瞼にキスを落とした。
宣言通り止めてやらずに、そこを中心に触れながら、ナカを広げていく。
指が3本まで入ってそろそろいいかな、と思ってると、小林が俺の肩を掴んだ。
「もっ…なんとか、しろ!!」
指で中途半端に刺激を与えてるせいでギリギリ達けてないから辛いんだと思う。
「なあ、小林」
泣きそうな小林の耳元に口づけて、俺はその耳に囁く。
「なんっ、だよ」
さっさとしろとでも言いたげに小林が俺を睨む。
「欲しいって言って」
指を引き抜いて、自分のそれを押し当てる。
先端を触れさせれば、小林の体が震えた。
「俺が欲しいって……」
早くこの状態から脱したい小林なら、言ってくれるんじゃないかという打算。
下らない。
こんな言葉、無理に言わせたって意味なんてないのに。
でも聞きたい。
正直、待ってる俺のほうが早く欲しいとか思っちゃってるけど。
「……ほ…しぃ…」
小さく、溢すように呟いた、と思ったらすごい勢いで睨みつけられた。
「いいから! 早くよこせよ!!」
今度は怒鳴られた。
「ははっ…」
小林の言葉に思わず笑ってしまった。
「よこせって……」
小林はやっぱかっこいいなぁ……。
ちょっと思ってたのと違うけど、小林が欲しい言葉を言ってくれたので、俺はそこでようやく小林と繋がった。
かなり慣らしたつもりだったのに、まだちょっときつい。
でも小林と繋がってる。
小林とひとつになってるんだ。
今は、今だけはこんなにすごい小林が俺のだ。
「はな、さき…」
小林は両手を伸ばして、俺を引き寄せるように抱きしめた。
「はや、く、しろ!」
感動に浸っていたら、俺が聞くより先に小林から催促が来た。
どっちが主導権握ってんのかわかんねえな。
いや、お伺いを立てる立場だから最初から小林か?
俺は苦笑して小林様に俺を献上した。

事後処理もしないまま、俺たちはベッドで横になっていた。
「なんでさせてくれたの?」
こんなこと聞くものじゃないのもわかってる。
でも聞かずにはいられなかった。
「お前が欲しいって言ったんだろ」
何言ってんだ、とでも言いたげな顔だけど、その小林の言葉は受け入れがたい。
「欲しいって言ったらさせるのかよ」
「お前ならな」
まるで誰でも…とは言わなくても、判断によっては俺以外でも、と思ってしまったんだけど、それを言うより先に小林にまさかの言葉を言われてしまった。
「へ?」
俺だからなの?
それは…俺は期待してもいいんだろうか。
「お前は約束を果たすまで…僕が死ぬまで僕のもんだろ。なら僕をお前にやれば対等だ」
「対等?」
首を傾げる俺に、小林は「ああ」と続ける。
「僕は僕を置いて行くなって言った。それでお前は僕から離れられない。それが僕が選んだ方法だ。アレをすんのがお前が選んだ方法なら、お前の思う通りにすればいい」
「男らしいなあ……」
きっぱり言い切られて、それしか言葉が出なかった。
見た目は可愛いのに、なんでこんなに格好良いんだろ。
まさかそんなこと考えてたなんて。
嬉しいけど、俺が望んだから受け入れたってことは、やっぱり小林は別にしたくなかったんだろうな。
あんなのされても男としては嬉しくないだろうし。
気持ちよさそうにしてくれたから、それだけは救いか。
俺は、小林とひとつになれたのはすごく幸せで、ずっとそうしてたかったくらいだけど。
「ありがとうな、小林」
それでも理由はどうあれ一度でも受け入れてくれただけで十分だ。
またしたいなんて贅沢すぎる。
もうお前が嫌ならしないから。
そう言おうとして口を開いたけど、またしても先に小林の言葉が出てきた。
「それに、いつも大人しくなくて直ぐに目移りするお前が、ずっと僕だけを見てるのは悪くなかった」
逸らされた顔は少し赤くなっていて、これは言葉のせいもあって文句なしに可愛い。
「お、お前がまたしたいなら別に…次は初めてじゃないけど…好きにしていいからな!」
次は初めてじゃないけどって…ああ、そっか。
俺が小林の初めてが欲しいって言ったんだっけ。
でも小林は顔を赤くするほど恥ずかしがりながらも、次もあっても良いと言う。
その可愛い顔で、そんな可愛い事を言ってくれるから、思わず抱きしめて引き寄せてキスしてしまった。

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