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19 May

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10 October

小林が明智君に風俗に連れていかれる話

タイトルが、タイトルが相変わらず思いつかない―!!
18歳になった小林が明智君に風俗に連れていかれる話。

続いていくとそのうちR18になるのですが、それが書ける自信がないので
今のところ読みきりです。
本番がないので年齢指定も何もありませんが、それ系の臭いはあります。
苦手な方はお気を付け下さい。








18歳。
一部分野を除き、成人とみなされる年齢。
それを迎えた小林を、明智は祝いと称して意気揚々ととある店に連れて行った。
風俗店である。
AIを備えた専用ドールと、VRを組み合わせてまるで本物としているかのような実体験が出来る、しかし相手はあくまで人形であるので売春ではないという、法律をかいくぐったようなシステムの店だ。
しかし少子高齢化に伴い、やり方が分からない若者が練習の為に来ることもあるので不健全ながらある種健全という不可思議な店でもある。
ドールといえど、物理的接触がある以上きちんと行き届いた衛生管理がなければ病気などを媒介する可能性があるので、検査の元、公的に認められる必要がある。
さらにその中でも優良店とされる店ではサービスも桁違いに増える。
見た目は写真などを持ち込めばそれに合わせて映像を作成してくれる。
勿論一からデータを作成することも可能だ。
追加料金で希望に合わせて作成してもらうことも可能だ。
声も、データを持ち込むか数ある選択肢から選ぶことも出来る。
老若男女問わず自分の好みの相手を作り出すことが出来る。
ただし、現実との区別がつかなくなる懸念から、終了後は自分が相手にしたのがあくまで人形であったと自覚するために素体と向き合うので、高揚感は7割減らしいが、それでもやはりそれなりの人気がある。
AIにより、反応もそれなりにパターンを選べる。
初心者むけの手ほどきコースなどもある。




明智の策略により、何も知らないまま小林はその部屋に入った。
迎えたのは寝心地のよさそうなベッドのあるだけの簡素な部屋だ。
入口とは別の壁にもう一つドアがあり、バスルームとなっている。
それだけの部屋だった。
が、何故かベッドには服を着た白い人形が座っていた。
その人形の背格好に既視感を覚えるものの、特に興味もなく連れてきた明智を睨む。
「なんだここ?」
「小林君を名実ともに大人の男にしてやろうと思ってな!」
胸を張ってにやにやと笑う明智に、小林は厭な予感しかしない。
「はあ?」
しかも言っていることが意味不明である。
人間、年を重ねれば少なくとも体は大人になるのだ。
部屋を出ようにも、扉の前に立ち塞がられて許されない。
「あのなあ……」
何がしたいんだよ、と問おうとしたところで突然明智が真面目な表情になったので言葉を止める。
「なあ、お前花崎が好きだろ?」
「何が言いたい」
突然の話の方向転換と、隠しているわけではないが指摘されたいわけでもない話題に小林は再度顔を顰める。
「キスとかハグとかそれ以上をしたいって思ったりするだろ」
「だから! 何が言いたいんだよ!!」
それが何か明智に関係があるとでも言いたいのか。
そうでないなら放っておけ、と思って叫ぶが、明智はそこで真面目な表情をいつものだらしないものに変えた。
「初恋4年も拗らせていまだにチューの一つも出来ないお前がある日勢い余って花崎を襲ったりしないかオッサン心配でな……」
まあ、花崎が拒絶すれば小林は引き下がるだろうから襲うという心配はないだろうが、問題は花崎が感情を理解せずに相手が小林だからと体を許してしまった場合だ。
花崎も小林に好意を抱いているであろうことは見ていてわかるのだが、小林が出会った頃からずっと花崎を中心に生きてきた為、花崎は誰かに嫉妬する必要も無かったので、その手の感情に向き合う機会が無かったのだ。恐らく小林を他の人間よりは好いている自覚はあるのだろうが、下手をすると一生、ただの〝好意〟で終わる。
そんな花崎に無理矢理小林が迫ったら、体だけが目当てだとか友達ですらなかったとか花崎が考え出して、拗れに拗れて修復が不可能になりかねない。
そうならない為には、まず小林の身体的欲求を発散する必要がある。
「ここはその手の欲求を発散するための店だ。誕生日プレゼントだからな。ちょっと高かったけどオプション付けまくってお前好みの容姿と声は完璧だ」
明智が何を言っているのか、やはり小林には理解できない。
ただ、小林と、そして花崎の為の行動であるらしい事だけは何となく理解できて、小林は黙って話を聞いた。
「お前らがこの先どうなるのかどうにもならないのかは分からねーけど、発散ついでにやり方覚えておくのも一つの手だと思うしな」
老若男女指定できる、ということは同性同士の行為にも対応しているのだ。
そこで明智の説明が終わった。
小林の感想は一つだ。
「訳分かんねー」
結局、だから何だ、というものであった。
しかしそんな小林の反応は予想通りだったのか、明智は苦笑して肩を竦めると身を翻して扉を開けた。
「今日は取り敢えず初心者モードだ。しっかり教えてもらえ」
そしてそれだけ言い残して部屋を出た。
と、思ったら再びドアを開けて顔だけ覗かせる。
「あ、そいつの着てる服は今日は持込でな。花崎が昨日着ていたものだ。いやー、水引っ掛けて着替えさせるとか手に入れるのに手間暇かかったぜー」
花崎の服を手に入れるのは簡単だが、脱いで洗濯していないものを入手するのは意外と困難なのだ。
多少の水濡れ程度では脱がないのは予想していたが、そこは口先で何とか誤魔化した。
明智探偵事務所には念のためにそれぞれ着替えが置いてあるので、納得させれば着替えさせるのは容易だった。
「じゃあまあ、支払いも済んでるし俺は帰るからゆっくり楽しめ」
そう言って明智は今度こそドアを完全に閉じた。
途端、室内のライトが変わる。
何なんだ、と思う小林の後ろで大きな変化があった。
『小林』
呼ばれた声に思わず振り返れば、ベッドの上にあった白い人形は、何故か花崎になっていた。
違う。
投影技術の進歩によって作られた偽物だ。
分かっているのに、その顔とその声で呼ばれると小林は動かずにはいられない。
しかも、明智がデータを持ち込んだ為、ふとした仕草まで花崎を思わせる。
近付けば、花崎が昨日着ていた服の所為でにおいまで花崎で小林の脳は混乱した。
そんな小林を、花崎なら絶対しないと思う表情で誘惑してくる。
正直に言えば、どれか一つだけでも小林がその気になればヌけるのだ。
いや、妄想だけでも実際はできる。
それでも偽物だと思えば、花崎の姿と声だけなら耐えられたかもしれない。
けれどそこににおいまで加わった所為で艶やかに迫る花崎の誘惑に小林は負けてしまった。
日常とは違う違和感を受け入れやすい場所で妄想が具現化したようなものなのだから、ある意味仕方のないことではある。




翌朝、ベッドに座って小林は頭を抱えていた。
最悪の気分と、最高の気分を同時に味わった。
花崎の人形に筆おろしをされてしまった。
しかも浮かされているときには確かに花崎としているような高揚感もあった。
だからこそ、最悪の気分だった。
妄想の中では何度もしている。
初めての夢精の相手だって花崎だった。
なので、今更汚してしまったなどと初心なことを言うつもりはない。
けれど、妄想と物理的な接触は全く違う。
花崎の為を思うなら、明智はこんなことをしてはいけなかったのだ。
例え終わった後にそれが人形だと実感できても、やはり脳には刻まれているのだ。
きっと思い出す。
妄想に描いたような表情で小林を求める花崎を。
小林はこの後、花崎をまともに見られる自信がなかった。







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